TwinTowerTours (m)

ももた支店:槇原敬之さんのほぼ全曲レビューという名のただ語りたいだけ-なブログをを相方さんとしております♪

01. ~introduction for Cicada~

昨日のブログでSuch a Lovely Place は春のイメージと書きましたが、次にリリースされたCicada はがっつり夏のイメージです。

今回のイントロダクションは2曲目のpoolと同じ旋律。
まるで曲がり角の向こうから、先に影がのぞいて、待ち人の到来を予告するかのようです。

残念ながら中止になったツアーのタイトルにも shadow pictures と、影というワードが入っいて、当時雑誌のインタビューでライブを「影があるのは光があるからという、そんな印象のものにしたいなぁって。」(WI 1999/7月号)と語っていたマッキー。光と影。どんな演出がされるのか、とても楽しみでした。

このツアーは初日がファンクラブ限定で予定されてたんですが、今までの人生で1番忙しくしてた時期なので、土日に東京とか無理ゲーで、お知らせを見た時は血反吐を吐く勢いでした。
それでも、その後続くツアー(日帰り出来そうな距離)だけは仮病を使ってでも!とチケットを取った後に、演技力を磨くか、それとも水風呂にでも入って本当に風邪をひくかと、真剣に悩んだことも、ニュースを聞いて言葉を失う程のショックを受けた事も、今となっては懐かしい思い出です。

あれからかれこれ20数年が過ぎたわけですが、昨年槇友さんと30周年どんなツアーがいいかって話をした時に、 ファンクラブ限定で shadow pictures やって欲しいなぁって思ったんです。
それがまたこんな状況になっているとは。
アルバムの発売日は七夕だったけど、愛しい恋人に逢えない星々の哀しみが乗り移りでもしたのでしょうか。

いい曲ばかりなのですよCicada 。
賛否あるでしょうが、もし何年かかっても、バンドメンバーさんが当時と違ってても、いつか開催してほしい。
まるっと1枚 time travel で如何でしょうか?


最後に曲の印象もちょっとだけ?書いておきますね。
アルバム名がCicadaだという先入観に引っ張られていますが、このイントロダクションで浮かんでくるのはセミの羽化のシーンでございます。

時刻は夜の帳が降りる頃。ピアノの美しい音色が漆黒の闇を連れてきます。
神聖さすら感じる音色を打ち消すように響いてくる重低音は、土の中から這い出ようともがく幼虫でしょうか。じわりじわり、しかし確実に進んでいく様子は、何処か不安を誘うような響きでもあります。
そうして、やがて聞こえてくる断片的な羽音と殻を脱ぎ捨てる音。
飛び立つまさにその瞬間の一呼吸前にイントロダクションは終わります。

最後まで描かずに、敢えて直前で止めるのは、焦らしプレイではなく(笑)
間髪入れずにpoolが始まるところもニクイ演出です。

今まで、introduction とばしてたわ〜って方もお楽しみ頂けると思うので、是非とも夏の思い出を引っ張り出してきてくださいませ。