TwinTowerTours (m)

ももた支店:槇原敬之さんのほぼ全曲レビューという名のただ語りたいだけ-なブログをを相方さんとしております♪

07. これはただの例え話じゃない

This is not a metaphor talk
これはただの例え話じゃない

のっけからサビを引用させてもらいました。
こう言われたら大阪では
「タダちゃうならナンボなん?」
と聞き返すのがマナーと教えてもらいました(たぶん違う)が、

マッキー先生は、英語でも日本語と同じ事を言う事で、先手を打ってボケ封じをされておられます。


マジメにレビューしますと、
冒頭の歌詞は"isn't"と略すのではなく"not"とクリアに歌われている事で、
"a metaphor talk"が強く否定されて、この曲で挙げられている例が比喩 [metaphor] ではなく、少なくとも世界のどこかで現実に起こっている話しなんだと言うことが伝わってきます。

ではどんな例えなのかというと、1番と2番にそれぞれひとつずつあげられておりまして、
最初の例えは苛立ちをガラスのコップにぶつけてしまった男性のお話。

ガラスのコップは彼の渇きを
癒すことさえ出来ずに割れた

何の役にも立たない悲しみが
ただ床に散らばってた

本来の役割を果たすことなく廃棄の対象になってしまったという事ですが
ひねくれ者なのでね、喉の渇きは潤せていなくても、ストレス解消に役立てたならそれも良いじゃないかと思う事もあります。
実際、物を思うままに壊せるサービスがビジネスとして展開されていたりもしますしね。

話が逸れる前に本線に戻りましょう。
この例で用いられたガラスのコップは「物」ではなく繊細な人の心や繋がりの事で、二重に張られた例えと思われます。壊してはいけない身近なもの。

Inside us all lies the power to destroy things,
near and dear to us

大切なものへの破壊衝動を誰もが内に秘めているというのは共感できなくはありません。
ぞんざいな扱いをしても許してもらえるという甘えだったり、壊すような行為を敢えてする事で愛情を試してみたいという思いは多少であれば誰もが持っているものだと思っています。もちろん実行するかは別として。

そういう行動を受け取る側のキャパは相手によって違う物だって事を忘れてしまって、越えてはいけないラインを見誤ってしまうということも、多分ですけどよくある話ですよね。

帰り道のコンビニにはなんでもそろってるけど
二人を元に戻す接着剤はないらしい
(ズル休み/槇原敬之

関係性は接着剤で簡単に修復できるものじゃないし、そもそも壊さないように思いやる事が大切なんだと再認識させられます。


2番はある女性の話です。
まだ新しい服を絵の具で汚してしまったんでしょうか?汚れた子供を見て心無いひと言を言ってしまいます。

そんなにあなたは
私を困らせたいの

うん。これは言ったらあかんヤツや。
この言葉に対して子供は特に反論することもなく

悲しそうな顔が後ろを向いて
駆け出したその手から落ちたのは
何枚も何枚も書き直してやっと
出来た彼女の似顔絵だった

ここでは1番よりも直接的に人と人との関わりについて書かれているんですけど、もしこの女性を良くない例としてあげているんだとしたらそれはちょっと違う気がします。
どうして心の余裕がなくなっていたのか。彼女がこういう態度をとってしまった原因をおもんばかって寄り添える存在がいるのか?いないのか?

彼女が母親ならば歌詞には登場していない彼女のパートナーや行政。保育士さんや先生だとしたら同僚なんかも、誰か(彼女)に寄り添えていない事がいくつもの悲しみ生む事になる。
マッキーの意図とは違うかも知れないけれど、こう言う事を伝えようとしているんだと思うようにしてます。


歌詞の話に終始してしまいましたが、とてもカッコイイアレンジがされていて、マッキーぽいんだけど、マッキーぽくないそんな素敵な曲です!

アルバム晴天ナリの先行シングル3作目にあたる本作。
シングルのジャケットがかわいいので、今日はこちらを貼りつけておきますね。

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