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ももた支店:槇原敬之さんのほぼ全曲レビューという名のただ語りたいだけ-なブログをを相方さんとしております♪

10.雨ニモ負ケズ [Album Ver.]

雨ニモ負ケズ」は誰もが一度は耳にした事がある宮沢賢治の書き付けの一節。
なので宮沢賢治へのオマージュとして認識されていますが、賢治の生き方や考えは次の「本日ハ晴天ナリ」の方に色濃く出ているように思います。

殺生を嫌い数年間菜食を通した想いと通じるところとか、

それで誰かの命を
奪わずにすむなら本望さ
(本日ハ晴天ナリ;槇原敬之

愛する妹を早くに亡くしたことや、自身も病がちでそう長くないと薄々感じていたのだと思いますが、人生が有限である事が身に染みているからこそ精一杯生き、多くの未発表作品を残したのであろう事とか。

毎日ちゃんと生きるんだ
こんな青空の下でも
なんにも感じられなくなる
そんな日は必ず来るから
(本日ハ晴天ナリ;槇原敬之

これ以上はどっちの曲のレビューをしているか分からなくなるので自粛しますが、「雨ニモ負ケズ」をアルバムの先行シングルとした意味や、アルバムの中の曲順を見てもこの曲と「本日ハ晴天ナリ」を宮沢賢治への思いが繋いでいるように感じます。

宮沢賢治は37歳という若さで早逝し、彼の作品にスポットライトがあたったのは亡くなったあとでした。
宗派の違いはあれど、宗教への関わりや、亡くなった年齢、死後に大成したこと、愛する弟妹がいた事など、その生はゴッホとよく似ていて、天才芸術家同士の奇妙な共通点が偶然なのか興味を惹かれるところでありますが、こちらも脱線になるので割愛。


さて、我らがマッキーも宮沢賢治を敬愛しているとありましたが[Wikipedia,雨ニモ負ケズ(槇原敬之の曲)]
このアルバムが出された2002年には33歳になっていたマッキー。
もし自分の寿命が賢治と同じ37歳(あと4年)で尽きるとしたら何を残そうか?と想いを巡らしたりしたんじゃないかと思います(個人の妄想です)
だってホラ、天才芸術家という大きな共通点があるし、何より彼の父親譲りの妄想力はツインタワーズも尻尾を巻いて逃げ出すレベル・・・かどうかは分かりませんが(笑)賢治の境遇に自分を置いてみたという事があってもおかしくないと思うんです。


あるみちゃんも天国と地獄へのエレベーターで言っていたように、『説教系』の耳が痛い色濃い曲が増えてきたとは思いますが、
もしも自分が居なくなっても私たち未来のファン(マッキー自身を含)に届くようにと、そんな事を意図して説教系ソングと言われている曲達は作られたんじゃないでしょうか。
特にこの雨ニモ負ケズはアレンジが近未来を匂わす感じに仕上がっているので余計にそう思います。

妄想が過ぎるかも知れませんが(笑)

初期の頃は聞いた瞬間ピコーン!とくる曲が多かったのが、ジワるスルメ曲や、何年か経ってから良さに気づく曲が増えた時期のように思います。
歌詞自体は前よりも分かりやすい曖昧さを排除した仕上がりになっているにも関わらずです。
まるで、その時が来るのを待っていたんじゃないかと思うほどです。

雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ
自分ニモ負ケナイ
そういう心を持つのは難しい
その事をまず僕は思い知るべきだ

「本日ハ晴天ナリ」の主人公も思い知るにはまだまだ時間が必要そうな僕でしたけど、この時から一緒に成長してこれていたらいいなと思う今日この頃です。


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マッキーはアルバムバージョンの方がお気に入りのようですね。
確かにこちらの方が重厚感が増しているように思います。

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