TwinTowerTours (m)

ももた支店:槇原敬之さんのほぼ全曲レビューという名のただ語りたいだけ-なブログをを相方さんとしております♪

08.店じまい

マッキー史上、最上級にカッコいいアレンジになっている曲ではないでしょうか?
クラブとかで流れてそうな感じです(行ったことがないので想像ですけど;笑)

曲が始まって19秒。銃声と薬莢が落ちていくような音がします。これがとても印象的です。楽器で作っている音なのでしょうが、実にリアル。

そして、続いて聴こえてくる緊張感をはらんだ誰かの短い息づかい。こちらは歌詞のストーリーにリアリティを添えています。中間あたりでアラビアンな曲調になっているのも同様ですね。

もうどんだけ音楽オタクなんだと。完成度が非常に高い。


しかしどう完成度が高いのかは、またもや私レベルでは解説できず(苦笑)

脇道にそれますが、マッキーの曲と私の音楽レベルの関係をエアコンを例にしてみました。

部屋を快適にしてくれるエアコン。真夏や真冬に外出から帰ってきて

"あ〜、極楽ぅ"

と思ったのは一度や二度ではありません。
予め設定していれば入った瞬間から感動ものだし、帰宅してからつけてジワジワくる感じもいい。

そんなエアコンについて、こういう機能があってとか、消費電力はいくらだとか、そういう事は知識として知っている。
だけど、モーターはこうなってああなってとか、センサーの感度を高めるために云々かんぬん・・・というところまではサッパリ分からない。

エアコンの設計図をみてもチンプンカンプンなんだけど、使ってて心地いい。

そして最近はオートクリーン機能もついてるけど、やっぱりこまめにフィルター掃除をしていないとその性能を十分発揮したレベルの快適さは得られない。

こんな感じと思っていますが・・・余計に分かりにくかったでしょうか。
レビューできそうにないからワザと横道に逸れているわけではありませんよ?


なので真面目にレビューに戻りましょう。
今回のストーリーは、ある武器職人がテレビニュースを見るところから始まります。

ちょっと、いやだいぶこれまでの主人公たちとは毛色が違います。
初めて聴いたときかなり新鮮というか、ビックリというか、マッキーに何かあったのか?とすら思いました。
これまではどちらかと言うと、平凡な僕が登場することが多かったのに、武器職人ですよ。

武器職人。

しかし、発想を逆転すると、もしかすると「この職業を選んでいる人達が平凡な(=多くいる)世界」のお話なのかも知れません。

歌詞はこの武器職人が店じまいをする決心をしたことろで締め括られますが、そこに至るまでにはこのように自分に言い訳をして続けていたようです。

一人がやめたくらいで
なくなるわけではないし
生きていくため仕方ないと

彼の世界には多くの武器職人がいて、その中で麻痺していく感覚もあったのだと思われます。

そんな彼が何故店じまいをしようと決意をしたのか。

その過程は歌詞で説明がなされているので、まだ聴いたことないよという方がいらしたら、ぜひ聴いていただきたい。

誰かの命奪うために
この手はあるんじゃない

個人的には「気がつくの遅いよ」と主人公にツッコミたいところ。
しかし、そこは育った環境の違いなんでしょう。日本は銃社会ではないですからね。

そんな日本にも警察などが使う公用銃や狩猟用の銃などを生産してる会社がいくつかあります。
精密なものですから、暴発させない事はもちろん、必要以上に威力を出させないとか、試行錯誤されて誇りを持って作っておられると思います。それに対人でも対動物でも、命を扱う会社はジャンルの違いこそあれ倫理観をすごく大切にした社員教育がなされているだろうことを考えると一概に「店じまい」を推奨できない自分がいたりもします。

銃のない社会、暴力のない世界は理想ですし、ゥンチャカにあったようにどうせなら良いことにエネルギーを使いたい。そうあって欲しい。

良いことをするにも
悪いことをするにも同じものが
使われるんだ それを決めるのは
ほとんどは僕らのこころ次第
(ゥンチャカ;槇原敬之

『僕らのこころ次第』ここは本当に共感できるところで、これまた個人的には、権力を"誰もが持たない"社会よりも、持つべき人、正しい心の人が持つ社会の方が上手く回るし、幸せなんじゃないかと思います。

この曲では作り手にクローズアップされていますが、使い手がキチンと扱えるのか、命を大切に思えているのか、そこもまた気になります。

それに作るのが悪いのか、流通させるところが悪いのか、使う人が悪いのか。
どれも悪いと言ってしまえばお終いですが、これは作られたモノによっても、社会状況によっても、個々人の事情によっても違ってきます。

ただ言えるのは流れ弾があたった少年は何も悪くないという事。

この曲を受け取る側の皆さん一人ひとり思うところは違うと思いますが、改めて「命とは」「善悪とは」について考えるきっかけになる、そんな一石を投じた曲の紹介でした。

それでは本日はこの辺りで閉店ガラ・・・じゃなくて、店じまいといたしましょう。