TwinTowerTours (m)

ももた支店:槇原敬之さんのほぼ全曲レビューという名のただ語りたいだけ-なブログをを相方さんとしております♪

10. PAIN

UNDERWEARにはファンの皆さまの圧倒的な支持を得ている「どうしようもない僕に天使が降りてきた」や「LOVE LETTER」が収録されていますが、私が1番好きな曲をあげるとしたらこの曲。自分の語彙力の少なさを歯痒く思いますが、人生観を認めてもらったような気分になれた曲とでも言うのでしょうか。

最近では believer tour で聴くことができでホント感激でした。それはもう瞬きするのも惜しいくらい。本来ならば微動だにせず地蔵モードで聴きたいのにリズムに逆らえず、着座のまま揺れてしまう。Aメロは我慢できても、Bメロのサビに差し掛かる辺りからはもう抗えません。なんなら瞼も閉じて曲の流れに身を委ねる勢いで(寝てないよ)、瞬きが惜しいという気持ちもあっという間に溶かされていきます。早々に地蔵モードから赤べこモードにシフトチェンジ。

 

そんな身体どころか魂までも揺さぶられる珠玉の名曲。1番のサビにはこう綴られています。

今日ずっと抱えてたのが

僕だけにしか分からない痛みなら

誰もわからない場所に捨てて

何もなかったように今すぐ笑いたい

めっっっっちゃ共感。と言うのも悲しみはビスケットみたいに半分こはできないと思うから。

友情は、喜びを二倍にし、悲しみを半分にしてくれる。

フリードリヒ・フォン・シラー

悲しみから立ち上がる力をくれるという意味では、分かち合うことで半分になるというのは真実なのでしょう。けれども友情が深ければ深いほど、悲しみだって喜びと同じように半分じゃなくて2倍になるんじゃなかろうか。だったら、悲しい気持ちは自分で消化してしまうのがいい。そんな考えとこの歌詞はさながら貝合わせのようにぴったりと符合しました。どうもその当時曲を作りながらマッキーが感じていたこととは違っていたようですが。

見慣れない自転車が駅前に増えた

来る人帰る人が持ち寄った夢を

この場所で支えられるうちは

僕の郵便番号は1から始まる

UNDERWEARを最後にプロの世界から離れるという考えもよぎっていたというマッキー。それまでもその後も文字通り曲に支えられたファンは多いはず。このDメロの「僕の郵便番号は1から始まる」には「シンガーソングライター槇原敬之」を東京で続けていこうという決意が潜んでいるように思えて、そんなところもこの曲が好きな理由の一つです。

もうすぐ昨日の痛みになる

デビューから「君が笑うとき君の胸が痛まないように」と1stアルバムのタイトル通りに、優しく、切ない曲を送り続けてくれていたけれど、順風満帆そうに見える影では、期待されるが故の葛藤とか、注目されることの息苦しさとか、私たちが知り得ない痛みがあったとしても不思議じゃないですよね。

誰の人生だって選んだ道が一番幸せな道だったかなんて比較対象がないから測りようがない。だからこそライブのMCで歌い手を続けてこれて幸せと言ってくれているのは本当に嬉しい。〜君が歌うとき君の胸が痛まないように〜そう思わずにいられません。

思えば believer tour でこの曲の後に歌ったのはイカ大王体操第2でした。“何もなかったように笑う” に重なってちょっぴり目が潤みます。一方、アルバムでは?というと、PAINの後に続く2曲は君三部作に回帰したような槇原敬之らしさにあふれています(ももた所感)。我らがマッキーが曲の順番に意味を持たせていない訳はないわけで。疑い深くなっちゃいますが、痛みを隠したのでなく、消化できたからこそのこの2曲でありますように。

明日はあるみちゃんにバトンタッチ。対談以外は内容を示し合わせる事なく書いているので私も一読者として楽しみにしています。

 

 

youtu.be