12. まだ見ぬ君へ
いやー。LOVE LETTERのピュアさは最強でしたね。ここに来て、私の中で電車絡み(ワードが出てくる程度のものも)のマッキー曲は最強説が浮上してきました。どんなときも。や遠く遠く然り。
まだ見ぬ君へではLOVE LETTERほどがっつりでは無いですが、通勤ラッシュに揉まれるシーンも出てきますし、その前に電車好きの欲目で、ガタンゴトン・ガタンゴトンと電車っぽい音で始まる冒頭の数秒だけで最強グループに振り分け完了!といきたいところですが、それだけでは勘弁してもらえるはずもなく(笑)
主人公はおそらくフツーのサラリーマン。
まだ見ぬ君を想って
ラッシュにもまれたり
と見せかけて(!)ちょっとしたオシャレ男子。
今ごろ未来の恋人はどこで何をしてるやら
サボテンもコーヒーメーカーも
「まだかよ」って怒ってる
サボテンやコーヒーメーカーは男臭い部屋に無造作に置かれているというよりも、いつかこの部屋に君を招待する事を想定しての選ばしモノたちって感じ。
擬人化されて、なかなか彼女のできない主人公に対して痺れを切らしている様子は美女と野獣に出てくる魔法でティーセットや燭台に変えられてしまった家令たちを彷彿とさせます。
そして野獣といえば「オオカミ少年」。こじつけ感半端ないですが(汗)もしこの曲が "その後" なのだとしたら、森を抜け出した後もなかなか愛は見つからなかったものの、クサる事なく爽やか好青年に育っているみたいですね。
先ほどあげたサボテンたちの擬人化も好きなポイントですが、
最近の僕は こんな風に
過ごしています
と手紙調なところとか、
「部屋を掃除してみたり」「歯をよく磨いたり」そんなたわいも無い日常のひとコマひとコマの描写とか、「男はつらいっすねぇ」で言っていた「尊敬されてる男」を(きっと)目指して仕事も遊びも全力投球なとことか。
伴奏の可愛らしさとか、声の柔らかさとか。後で犬が吠えているところとか。枚挙にいとまが無いとは正にこのこと。
さらには「THE END OF THE WORLD 」で、幸せのようなものでは幸せになれないと痛感したからこそ辿りついたであろう境地
愛のようなものじゃなくて
愛をあげたいたら
とか、
この痛み(PAIN)は両親には理解してもらえないと思っていたのに、隠しきれていないところとか。
母さんは余計な事して
見合い話持ちかける
自分が思っているよりも もっと
寂しそうに見えるらしい
漫画好きとしてはこの↓セリフも大好物。
「お前の理想ってひょっとして高すぎるんじゃない?」
こんなセリフを曰うのは、天然の超絶ニブキャラか本当は俺にしとけよって言いたい恥ずかしがり屋さんの二択じゃないですか。ヲタセンサー作動!妄想癖発進!ってなもんです。大人になったいまなら冷静に受け止められますが、厨二病真っ只中だとあらぬ妄想をしてしまうのも致し方ないこと。
最後のは完全に蛇足でしたが、いろんな伏線(こじつけ)を回収しつつ、お粥のような優しさで仕上がっています。「まだ見ぬ第二章の槇原敬之」にも恋をしてしまうのはこの時点で確定した未来だったと言ってもいいでしょう。
このアルバムの後に緊急発売されたアルバム未収録シングル「まだ生きてるよ」は当ブログで取り上げるか完全に宙ぶらりんですが、オリジナルアルバム(和詩)が終わったらアルバム未収録の曲の事も書いてみたいなと思っています。