TwinTowerTours (m)

ももた支店:槇原敬之さんのほぼ全曲レビューという名のただ語りたいだけ-なブログをを相方さんとしております♪

05.Orange Colored Sky

人らしく生きる事と
引き換えにしてまで
何を僕は欲しいというのだろう

ちょっと聴くと意味深に聞こえるワードですよね。ブラックな匂いのする歌詞ですが、そこはやはりドラマ主題歌という前提があるからなんじゃないかなと思います。

ドラマに合う曲を作るのと、曲があってドラマに選ばれるという2パターンあると思いますが、この曲は前者だったんじゃないかな。知らんけど。

そのドラマは課長島耕作
wikiによると1980年代前半から、1990年初期を舞台として日本経済の末端で働くサラリーマンのリアルを描いた作品のようです。


その時代のサラリーマンのリアルは伝え聞くことでしか分からないけど、そんな私が聴いても、中堅どころのサラリーマンの心情が随所に散らばっています。

マッキーも社会に出る前の年代なはずなのですが、そこは妄想力のなす技なのでしょう。

思えば2000年ごろからブラックという言葉を見かけるようになって、その後、このアルバムが発売された2008年ごろから過労死がニュースに取り上げられたり、2013年にはブラック企業流行語大賞のトップテンに選ばれたりもしました。

しかし、それ以前から、逃げ恥のみくりちゃんの名言である「やりがい搾取」の状態は日本企業の中にごくごく当たり前に存在していたものだと思われます。

この曲の主人公もまさにそんな環境で働いているけれど、それに疑問を持つ。

そして、夕日に映えるオレンジ色の雲に感動し、自分の心に素直になれた主人公は、自分を奮い立たせるかのようにこう思うわけです。

ものに溢れるこの街で
信じたものを貫いて
食えなくなって
野垂れ死ぬのも悪くない

他に夕日をモチーフに使った曲としては「どんなときも。」がありますが、焦る気持ちを夕日に溶かしていくと、そこには自分の正直な気持ちが残るんでしょう、きっと。

中間管理職の決意表明なのか、マッキーの声も、いつもよりもいい意味で粗野で、とにかくがむしゃらに前に進んでいく、いつもの優しさではなく、力強さを感じられる歌い方になっています。


バンジョーが使われているという共通点があるせいか、Turtle walk をふと思い出します。

ウサギもカメもそれぞれのペースでゴールしたけれど、世の中には途中で挫折する人だってもちろん多いわけですよ。
だけども、例え挫折したとしても、自分を貫く事で後悔しない人生にすることが出来るんだよと、その事をこの曲で伝えたい事なんじゃないかなと思ってます。

働き方改革も打ち出され変わりつつある今の時代にはそぐわないところもあるのかも知れません。
ドラマ、再放送があるなら見てみたいなぁ。
そしたらもっとこの曲の理解が進むような気がします。